« 純棘〈Thorn〉[R/EVOLUTION 6th Mission] | トップページ | 秋の背景セットです♪ »

2007年10月 7日 (日)

眉山

眉山  さだ まさし  幻冬舎

今春映画化された作品でした。映画化された原作を読むことはあまりしないのですが、さださんの小説は好きなので図書館の書架に並んでいたのをみて手にとりました。
映画の方はみていません。

東京で旅行社に勤める咲子のもとに徳島のケアハウスでひとり暮らしている母が病院に移った先の看護婦からの「錯乱した」という電話で急遽帰省することから長いひと夏が始まります。
徳島の病院で主治医より母が末期癌に侵されこの夏がヤマと宣告された。
私生児である咲子が後ろめたさをさほど感じずにいられたのは江戸っ子で気風のいい「神田のお龍」と呼ばれた母の人柄と生き方をみていたからです。それでもやはりこうなった今となっては父親の事が知りたいと思う咲子。その上、母は献体希望者として登録しているという。そのことも咲子のショックに追い討ちをかける。
母の逸話は物語と共に語られ、いったいお龍さんは(きっと気付いている)最後の時間、何を見つめているのだろう・・・と咲子と同じような気持ちになって物語を進みました。

阿波踊りの旋律と囃子と共に、咲子の思いや母(と父)の秘密への気持ちの整理、母の真意を知り寄り添う戸惑いが重ねられていきます。

さださんの作品は『精霊流し』『解夏』と読みました。本作で全3作品を読了したことになります。
どれも死と密接に繋がった作品であり、寄り添う人の気持ちのあり方がとても印象的です。親しい人、愛する人の死に対した時の悲観だけではない形がとても好きです。
7月にさださんのコンサートを鑑賞したこともあり、とても気持ちが入った一冊でした。

【追記】
お友達の『KOROPPYの本棚』KOROPPYさまの「『眉山』 さだまさし」にて感想記事がアップされています。

|

« 純棘〈Thorn〉[R/EVOLUTION 6th Mission] | トップページ | 秋の背景セットです♪ »

コメント

こんにちはー。
うーむ。。。自分が住んでる町が舞台なのに
読んでも観てもないんですよね私(笑)
映画よりも本がいいって言う人の方が
私の周りには多いですよー。
近々読んで(また、観て)みなければと思ってる所であります!

投稿: mixbabar | 2007年10月 8日 (月) 11時00分

こんにちは。
トラバ&ご紹介ありがとうございました。

死期が迫っているのに、
悲観的だったり暗かったりではなくて、
優しくて人の想いが暖かいですよね。

「おやじの一番長い日」なんて、
歌詞を聴いているだけでじーんとしてしまいます。
人の心を描くのがうまいですよねー。

『解夏』は読んでいるのですが『精霊流し』はまだ。
今度探してみようと思います。

投稿: KOROPPY | 2007年10月 8日 (月) 12時08分

【mixibabarさま】
なんと、かの地にお住まいなのですね。小説ではとても素敵な土地の様子でした。
しかも阿波踊りは唯一神仏の関係しないお祭りという知識も得ました。
もしかしたらばばるさまも阿波踊りの連に入っているのかしら・・・?
私は映画もみてみようかなとちょっと思った作品でした。

【KOROPPYさま】
タイミングよくKOROPPYさまが感想をアップされていて、気持ちを入れて読むことができました。ありがとうございます。
さださんはやっぱ言葉紡ぎが上手いと思います。
そしてどの歌もとても素敵な歌詞です。私は年齢的に中高生時代にさださんがとてもヒットしていた世代なので思いいれも強いです。
「道化師のソネット」「無縁坂」「天までとどけ」etc.etc.
そしてトークもとても面白い方です(ちょっと説教臭いけれど>笑)

投稿: ととろ | 2007年10月 8日 (月) 12時46分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/140290/16689953

この記事へのトラックバック一覧です: 眉山:

» 『眉山』 さだまさし [KOROPPYの本棚 ]
映画のプロモーションがきっかけで興味を抱き、原作を読んでみました。 前半から涙が止まらず、最後まで泣きっぱなしでした。 女手一つで咲子を育ててきた、母。 この夏を越せるかどうかだと、主治医から宣告されます。 最後の夏をすごす、母子。 語られなかった、咲子の父親とは。 新天地に徳島を選び、献体の意志を固めた、母の想いとは。 人々の想いが交差し、優しい世界を作り上げています。 とにかく優しくて、泣けてくる作品でした。 ドラマチックで、劇的なエピソードを重ねているわけではないのに、一つ一つのエピソードが、... [続きを読む]

受信: 2007年10月 8日 (月) 12時07分

« 純棘〈Thorn〉[R/EVOLUTION 6th Mission] | トップページ | 秋の背景セットです♪ »