クロノス・ジョウンターの伝説 梶尾 真治 ソノラマ文庫
梶尾真治氏の著作2作目です。前に読んだのは「時の"風"に吹かれて」。このときコメントにて『ばなぶろぐ』ばなさまよりこちらを紹介していただきました。
幸運なことにととろの図書館にて入手することができました。
さて、梶尾氏といえばやはりSFですよね。前の作品もタイムトラベルものでした。今回もこの「クロノス・ジョウンター」というのはタイムマシンの名前なのです。最初意味がわからなかったのですが(ととろはSFに弱い)、クロノスとは「時のを司る神」、ジョウントとは「空間から空間へと跳んでしまう状態」のことらしい。どれもSFの用語らしい(笑)命名者はSFファンなのです。理系の人がロマンチストって当たってるかも、なんて感じの設定ですね。
こちらはクロノス・ジョウンターを巡る3篇のお話と書き下ろしの外伝が納められています。
クロノス・ジョウンターはタイムマシンだけれどいろんな制約がある。
まずはその人の生まれた時代以前の時代には戻れない。そして遡った時間に相乗して未来へ跳ね飛ばされてしまう、ということ。また、滞在時間が非常に限られている。時の神は事実に反するものを阻止しようと働くらしい。2話では滞在時間を延ばす機械「パーソナル・ボグ」が開発されるのだけど。
この制限によってとても感動的なラブストーリーが誕生するのです。どれもピュアで必死な恋物語です。あとがきにも触れてありましたが、SFとラブストーリーって相性がいいのです。
1話「吹原和彦の軌跡」は片思いの花屋の女性に初めてデイトを申し込んだ日に彼女が事故に遭う。その事故から彼女を守るために3度も過去へと遡る和彦。しかし再度クロノス・ジョウンターに乗り込むときは以前より過去へは行けないという制約もあった。しかも過去に滞在できる時間はわずか1時間にも満たない、戻るとずっと未来。そこでクロノス・ジョウンターを探し乗り込む和彦。彼女を救うことは出来たのか?
2話「布川輝良の軌跡」彼はパーソナル・ボグの実験に臨む。彼には過去に姿を消した建築物をどうしても見たいという夢があった。その時間に指定し、滞在延長器具パーソナル・ボグをつけて過去へと跳ぶ。その建築物は既に解体が決まっており囲いがされていた。しかしそこで出会った圭という女性と恋をし彼女の婚約者の力で最後の最後に一目見ることができる。あっという間に未来へと帰された布川が未来で見つけたものは・・・
3話「朋恵の夢想時間」こちらが外伝。クロノス・ジョウンターとは別の角度から時を遡る装置を開発していた。クロノス・コンデショナー」これは体は移動しないで意識だけを過去に送るというもの。朋恵はこれによってトラウマとなっている高校時代に戻る決意をする。体は動かないといっても過去の自分の中に意識として入り込むわけだが、事実に反する行動を取ろうとすると時の神によって邪魔をされる。彼女の意思は最後の最後で阻まれた。ところが・・・「時を改変しなくても、時が許してくれることもある」それでも彼女の時間の印象はシビアなものだった。
と、全部のお話を明かすのはやめましょうね。4話「鈴谷樹里の軌跡」も思いっきりラブストーリーになってます。でも、やっぱり時の神はシビアです。それでも想いが相手に伝わり時を越えてお互いの願いが叶うという、心温まる物語です。
ばなさま、とてもステキな本をご紹介下さってありがとうございました。
ばなさんのこちらの感想は「クロノス・ジョウンターの伝説」です。
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